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湿潤療法の実際3 やけど(熱傷・火傷)




                                    

やけど1


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 こちらはスチームで手指にやけどを負った1歳の男の子です。近くの病院で治療を受ていましたが「植皮(皮膚移植)が必要かもしれない」と言われ、インターネットで検索して夏井先生のHPに辿り着き、 メールで夏井先生に連絡をとり、当院を紹介され来院されました。1は当院初診時(やけど受傷後8日)の写真です。中指と薬指が特にひどく一部白っぽくなっています(深U度熱傷)。 デュオアクティブETを指に巻く治療を行いました。治療開始後3日目で深U度の部以外は上皮化し(写真2)、その4日後には深U度の部も上皮化しました(写真3)。4は3ヵ月後の写真です。深U度だった部分に 若干の盛り上がり(肥厚性瘢痕)がありますが、よく見ないとわからない程度ですし、指の動きには全く問題ありません。ご本人がとてもお利口さんだったこともありますが、治療に際しては痛がる様子は ありませんでした。
   やけどに限らず少々ひどい傷を見ると割に早い段階で「植皮の可能性」を示唆する医師が多いように 思います。まあ昨今はいろいろあって、少ない可能性でもあらかじめ言っておかないと後にもめることもあるようですから、非難するものではありませんが、言われた方はびっくりしてしまいますよね(自戒もこめて)。
 夏井先生も言っておられますが、閉鎖療法を行なえば植皮が必要になる例はかなり減るのではないかと思います。



やけど2


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 こちらは熱湯で肘から手首にかけてやけどを負った1歳の男の子です。近くの救急病院で初期治療を受け、その後皮膚科や大学病院を受診して、例によって植皮の可能性を 示唆されて、ネットで検索の上当院に来られました。

1:当院初診時(やけど受傷後4日)で、水疱が剥がれており、赤いところは浅U度、中心の白っぽいところは深U度熱傷です。 食品ラップとワセリンによる湿潤療法を開始しました。

2:治療開始5日後。赤い部分はほぼ上皮化しており、中心の白い部分も赤っぽくなってきました。

3:初診より7日目で、手首の一部を除いては、上皮化しています。

4:同じ日の手首の アップです。まだ白い部分が目立ちますが、傷の周囲と毛孔から上皮化が起こってきています。初診から10日目からはこの部分だけデュオアクティブETを貼ることにして、やけどの他の部分の処置はやめました。

5:初診から25日目。

6:一番深かった手首のやけどの部分もきれいに 上皮化してほとんどわからなくなりました(本当はもっと早く治っていたのかも知れませんが、遠方の方だったので終盤の通院は一週間間隔でした)。

治療(お湯で洗ってワセリンを塗ってラップを巻く)に際しては全く痛がる様子はなく、お湯で洗っているときなどはむしろ気持ちよさそうで、洗うのをやめると 怒るほどでした。保存的にここまで治るやけどに植皮は必要無いだろうと思います。でも実際はこのぐらいで植皮になっているケースもあるかと思うと残念です。

湿潤療法はやけどの急性期の治療に大変有効です。
現在(2006年11月まで)のところ、やけどの急性期に他の病院で植皮を勧められた方でも、当院で治療をした方は全例一旦上皮化まではできています。上皮化後の瘢痕拘縮(やけどが治ったあとの引きつれ)に対して手術が必要になることはあるかもしれませんが、 急性期には(やけどの範囲がよほど広い場合を除き)この方法で一度上皮化させることが可能であり、植皮手術のことを考えるのは後回しにできると考えています。またその方が、結果的に手術が必要になった場合でも手術範囲を最小限にとどめられると思います。

実際の治療例→1擦過傷 2指先部欠損 3やけど 4スポーク外傷 5低温やけど 6顔面熱傷